ブリューンオストを自分で作る

おいしいブリューンオストを作るのは一つの技術で,多くの経験が求められます。いろいろな種類のブリューンオストの製造上の詳細は,もちろん企業秘密です。でも,試しに自分でブリューンオストを作ってみたいという方もおられるでしょう。牛乳とクリーム合わせて7gを使うこのレシピで,ブリューンオストが約700c,副品のホワイトチーズが約500cできます。


1. 牛乳5gを摂氏約30度に温め,レンニンを加えて30分ほど置きます。牛乳が凝固し始めます。


2. カードが分かれたら,それをさいの目状に切ります。注意深く撹拌します。こうするとカードからホエーが排出されます。牛乳をさらに加温するとよいかもしれません。


3. ホエーを濾して,カードを取り除きます。カードはカッテージチーズとして使ったり,あるいは圧力を加えてホエーを排出してから,型詰めしてホワイトチーズにすることもできます。


4. これから煮詰めてゆくホエーのほうは,普通,約3分の2がホエー,3分の1が牛乳とクリームから成る混合液です。それで,クリームと牛乳,あるいはそのどちらかを約2g加えます。普通の全脂チーズを作るには,クリームを4ないし5デシg加えます。クリームの量を減らせば,もっとあっさりした味のチーズができます。


5. かき混ぜながら,煮詰めていきます。十分煮詰まるまでには数時間かかります。そうするとかなり固くなります。かき混ぜて鍋の底が見えるのを目安にするとよいでしょう。ホエーを煮詰めれば煮詰めるほど,固くて色の濃いチーズができます。


6. 鍋から褐色のペーストを取り出します。冷めるまで,よくかき混ぜます。これはチーズがぶつぶつしたものにならないために大切なことです。


7. ペーストは粗熱がとれると十分固くなって,練ることができます。それを型詰めして一晩寝かせます。


ブリューンオストはつまみとして,薄くスライスして食べるのが一番おいしく,焼きたてのパンやワッフルに載せて食べるのが好まれています。

ブリューンオストはあるノルウェー人の発明

ブリューンオストはどのようにして生まれたのでしょうか。1863年の夏,グドブランズダレン渓谷に住むアンネ・ホーブという乳搾りの女性は,ある実験を行ない,それが大発明となりました。彼女は,牛乳だけでチーズを作っていましたが,ホエーを煮詰める前にクリームを加えることを思い付きました。


その結果できたのが,脂肪を豊富に含んだ風味あるブラウンチーズだったのです。後になって,ヤギ乳や,ヤギ乳と牛乳の混合乳も原料として使われるようになりました。1933年,高齢になっていた発明者のアンネ・ホーブは,その功績を称えられ,ノルウェー国王から特別の勲章を授与されました。


ブリューンオストは,今では主に四つの種類があります。イクタ・イエイトオストはヤギ乳だけで作られる,本当のヤギ乳チーズです。グドブランズダルオストは最も一般的なチーズで,渓谷の名前に由来します。これはヤギ乳と牛乳とで作られます。ヤギ乳は10ないし12%含まれています。フレテミオストは牛乳だけで作られるクリームホエーチーズです。プリムは牛乳で作られますが,砂糖が添加された柔らかなブラウンホエーチーズです。


このチーズはほかの種類のものほど煮詰められません。脂肪の含有量,固さ,色の濃さは,ホエーとクリームとミルクの割合や煮詰める時間によって決まります。ブリューンオストが独特なのは,牛乳のカゼインからではなくホエーから作られるからです。したがって,乳糖がたくさん含まれ,キャラメルのような甘みがあります。


ブリューンオストは,多くのノルウェー人にとって,単なる珍味ではなく,毎日の食生活になくてはならないものなのです。

ブリューンオストを昔ながらの方法で作る

私たちが到着したときは,ちょうどヤギの搾乳が終わったところでした。乳搾りの女性がヤギ乳からおいしいチーズを作るところを,そばで見せてもらうことができました。


ヤギの乳は一日に2回搾り,大きな釜に入れます。それを摂氏約30度になるまで温め,そこに乳汁を凝固させる酵素のレンニンを加えます。乳汁から白色のカードが分かれ始めますが,カードが分離したあとの液体はホエーと呼ばれます。手間をかけてホエーをカードから大部分排出させます。カードは幾つかの木桶に分けて入れられ,ヤギ乳の白いノルウェーチーズになります。このホワイトチーズは“生”なので,食べられるようになるまでには3週間ほど熟成させなければなりません。


では,ブラウンチーズ,つまりブリューンオストはどうなのでしょうか。純粋のホエーのほうに乳とクリームを加えて,その混合液を煮詰めます。絶えず撹拌していなければなりません。煮詰まってくると,水分がかなり蒸発して色が変わってきます。3時間ほどすると褐色のペーストになります。それを鍋から取り出し,ペーストが冷めるまで撹拌を続け,練ってから型に詰めます。ホワイトチーズと違って,ブラウンチーズは熟成させる必要がありません。翌日,型から抜き取られると,ヤギ乳の褐色のノルウェーチーズが好きな人に喜ばれるブラウンチーズの出来上がりです。


作業工程は,基本的には今も変わりません。しかし,この方法でチーズを作ることは廃れてしまい,大規模な機械化生産が行なわれるようになりました。山の酪農場は,真空濃縮設備を使用するチーズ加工場に取って代わられ,ふたをしない昔の鉄鍋に代わって圧力釜が使われるようになりました。

ブリューンオスト―ノルウェーのおいしいチーズ

ノルウェーの一般家庭にご案内しましょう。朝の食卓にはバターや,きめの粗いパン,その他いろいろなものが並びます。でも,ちょっと待ってください! 何か足りないものがあります。すると,すぐにだれかが,『ブリューンオストは?』と聞きます。

ブリューンオストとは?
何百種類ものチーズを含め,サンドイッチにはさむ様々な材料の中でも,ブリューンオスト,つまりブラウンチーズは独特です。ブリューンオストは,ノルウェーのほとんどの家庭にあるチーズで,この国で消費されるチーズのほぼ4分の1を占めています。ノルウェーのブリューンオスト年間消費量は1万2,000dに上ります。それは一人当たりの平均消費量が約3`になるということです。それと同時に約450dものブリューンオストが,オーストラリア,カナダ,デンマーク,スウェーデン,米国といった国々に輸出されています。

ブリューンオストを外国人が初めて口にするのは,多くの場合ノルウェーのホテルにおいてです。朝食のテーブルにはたいてい,円筒形や角型をしたこのチーズが置いてあり,オストウヘベルと呼ばれる,チーズを切るための小さくて便利な道具が必ず添えられています。これは,チーズを上のほうから薄く切り取るのに使います。

ブリューンオストとはそもそも何でしょうか。それを知るために,私たちは実際のサアータル,つまり山にある夏の牧場を見学しました。そこでは,今も昔ながらの方法でブリューンオストが作られています。

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