ブリューンオストを昔ながらの方法で作る

私たちが到着したときは,ちょうどヤギの搾乳が終わったところでした。乳搾りの女性がヤギ乳からおいしいチーズを作るところを,そばで見せてもらうことができました。


ヤギの乳は一日に2回搾り,大きな釜に入れます。それを摂氏約30度になるまで温め,そこに乳汁を凝固させる酵素のレンニンを加えます。乳汁から白色のカードが分かれ始めますが,カードが分離したあとの液体はホエーと呼ばれます。手間をかけてホエーをカードから大部分排出させます。カードは幾つかの木桶に分けて入れられ,ヤギ乳の白いノルウェーチーズになります。このホワイトチーズは“生”なので,食べられるようになるまでには3週間ほど熟成させなければなりません。


では,ブラウンチーズ,つまりブリューンオストはどうなのでしょうか。純粋のホエーのほうに乳とクリームを加えて,その混合液を煮詰めます。絶えず撹拌していなければなりません。煮詰まってくると,水分がかなり蒸発して色が変わってきます。3時間ほどすると褐色のペーストになります。それを鍋から取り出し,ペーストが冷めるまで撹拌を続け,練ってから型に詰めます。ホワイトチーズと違って,ブラウンチーズは熟成させる必要がありません。翌日,型から抜き取られると,ヤギ乳の褐色のノルウェーチーズが好きな人に喜ばれるブラウンチーズの出来上がりです。


作業工程は,基本的には今も変わりません。しかし,この方法でチーズを作ることは廃れてしまい,大規模な機械化生産が行なわれるようになりました。山の酪農場は,真空濃縮設備を使用するチーズ加工場に取って代わられ,ふたをしない昔の鉄鍋に代わって圧力釜が使われるようになりました。
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